失われた夜の歴史

ロジャー・イーカーチ 著 
樋口幸子・片柳佐智子・三宅真砂子 訳

528頁/定価 3200円+税
発行 インターシフト(発売 合同出版)

 夜が暗闇だった時代の、驚くべき真実。

 産業革命以前、夜を暗闇が支配していた時代、
 悪魔などが跋扈する一方で、
 自由を求める人々は夜に解き放たれた。
 そして夜間、一度起きてはまた眠る「分割睡眠」が常態だった。

 文学・社会・生活・心理・思想・魔術——
 私たちが忘れてしまった、夜の魅惑と恐怖を初めて描き尽くした傑作!

  ジョージ・スタイナー、テリー・イーグルトン、絶賛!
  ★数々の賞・年間ベストブックに輝き、
   世界の50を超えるメディアで紹介された名著、待望の刊行
   (図版多数、カラー8頁)


 ★昼と夜との劇的な対話やせめぎあいを保全したい。
  そこに歴史の省察のための焦点が絞りこまれる。
  その論法の説得力に、ほとんどため息がでる。
  ——樺山紘一『日本経済新聞』

 ★これはいいねえ・・・単なる寝る時間としか思っていなかった夜が持っていた
  豊かさにちょっと感動することだろう。
  ——山形浩生『cakes』

 ★夜に人々がどのように生き、どのような行動が起こり、
  またどのような考えを抱いていたのかを様々な側面、
  一次資料から徹底的に洗いだした凄まじい力作である。
  ——冬木糸一『基本読書』

 ★驚くような逸話がいろいろ出てきて楽しい本だ。
  夜の静けさの中で、じっくり玩味してほしい。
  ——小倉孝誠(慶應大教授)地方紙各紙

 ★闇夜の生活史を読むのは、隣人の生活を裏窓からのぞき見するかのように
  スリリングで、ちょっぴり背徳的な体験ですらある。
  ——吉田徹『週刊ダイヤモンド〜私の「イチオシ収穫本」』

 ★さながら夜の百科全書という趣き
  ——風野春樹『本の雑誌』

 ★昼と夜の鮮烈なる対照
  ——越智道雄(明治大学名誉教授)『公明新聞』

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 ●ロジャー・イーカーチ

  ヴァージニア工科大学の歴史学教授。本書を含め、4冊の著作がある。

  【著者の関連記事】
  ・朝日新聞 GLOBE(著者取材)
  ・来日講演のチラシ(2009年)
  眠りの本棚(柴田元幸x鍛治恵の対談)
  
 ●訳者
  ・樋口幸子
   訳書にエリザベス・アボット『砂糖の歴史』、マーク・ペンダーグラスト『鏡の歴史』など。
  ・片柳佐智子
   訳書にローレンス・ライト『ベッドの文化史』、ジュールズ・キャシュフォード『月の文化史』
  (いずれも共訳)など
  ・三宅真砂子
   訳書にローレンス・ライト『ベッドの文化史』(共訳)、サイモン・バロン=コーエン『共感する女
   脳、システム化する男脳』など。  

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◆「賛辞、目次、はじめに、夕暮れ、解説」の立ち読みはこちら
 

 ::目次:: 

 ◎はじめに:もうひとつの王国

 ◎第1部:死の影
  第1章:夜の恐怖——天上と地上
  第2章:生命の危険——略奪、暴行、火事

  ◎第2部:自然界の法則
  
第2部:自然界の法則
  第3章:公権力の脆弱さ——教会と国家
  第4章:人の家は城塞である——良い夜のために
  第5章:目に見える暗闇——夜の歩き方

  ◎第3部:闇に包まれた領域
  第6章:暗闇の仕事——仲間と共に
  第7章:共通の庇護者——社交、セックス、そして孤独   
  第8章:騎士ウォーカー——王侯貴族たち   
  第9章:束縛から放たれて——庶民

 
◎第4部:私的な世界
  第10章:寝室でのしきたり——儀式
  第11章:心の糸のもつれ——眠りを妨げるもの
  第12章:私たちが失った眠り——リズムと天啓

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:: 絶賛!::

 著者の近代以前の文明における「夜景」の研究は、
 文学から社会史、心理学、そして思想史にまでわたっている。
 これは第一級の先駆的な功績である。
 ——ジョージ・スタイナー

 途方もなく広範囲にわたる、さまざまな文化の資料を漁り、
 魔女から消火活動、建築、そして家庭内暴力に至るまで、
 ありとあらゆることを教えてくれる。
 ——テリー・イーグルトン
 
 ・・『ワシントンポスト』『ニューヨーカー』『フィナンシャルタイムズ』
 『ガーディアン』『ロンドンタイムズ』ほか、世界の50を超えるメディアで絶賛!

 ◎賞
  フィーアルファシータ国立歴史栄誉協会賞、チャールズ・スミス賞、
  ヴァージニア図書館ノンフィクション部門賞ほか

 ◎年間ベストブック
  『オブザーバー』紙、『ディスカバー・マガジン』誌、『ヒストリートゥデイ』誌
  (A Longman History Today)、amazon.com エディターズ・ベスト3(歴史学)ほか