Liquid 液体
この素晴らしく、不思議で、危ないもの

 
マーク・ミーオドヴニク著
松井信彦 訳
 

288頁/定価 2200円+税 発行 インターシフト(発売 合同出版)
● すぐそこにある、液体の魔法! ●

身近にある「液体」の
素晴らしく、不思議で、危ない世界へようこそ!

・文明を進化させた接着剤
・ボールペンは液体工学の天才が生んだ
・液体x結晶の「液晶」って?  
・飛行機のパワフルな燃料が爆発しないわけ 
・最高においしいコーヒー・紅茶とは? 
・液体石けんはアイデアの宝庫 
・呼吸できる液体&人工血液
・地球は液体の惑星だ 
・・・

体液から地球の芯を流れる液体金属まで、
石器時代の道具から最先端のラボオンチップ医療革命までーー
液体をめぐる人類の発見とイノベーションの物語。


NYタイムズ・ベストセラー&年間ベストブック多数の
『人類を変えた素晴らしき10の材料』、待望の続刊!


★絶賛
軽妙にして明晰、すごい才能だ
ーービル・ゲイツ

『サイエンス』『ウォールストリートジャーナル』『フィナンシャルタイムズ』
『ガーディアン』『サンデータイムズ』など多数メディアで書評!

★英国王立協会インサイト・インベストメント科学本賞
 最終選考作品

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::著者:: マーク・ミーオドヴニク
ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ(UCL)の「材料と社会」学部教授。
同大のインスティテュート・オブ・メイキング所長。
『タイムズ』紙による英国で最も影響力のある科学者100人に選出。
英国王立協会マイケル・ファラデー賞を受賞。
前作『人類を変えた素晴らしき10の材料』は、多数の年間ベストブックを獲得し、
全米ベストセラーにもなった。

::訳者:: 松井信彦
翻訳家。訳書はクリストファー・プレストン『合成テクノロジーが世界をつくり変える』、
マット・サイモン『たいへんな生きもの』、サム・キーン『スプーンと元素周期表』など多数。

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::目次::

◆「目次・はじめに・解説」の立ち読みはこちら

はじめに 不可解で謎めいた性質

第1章 爆発……現代の魔法のランプに乗って
ケロシンの発見/進歩するオイルランプ/魔人が出てきた/ガソリンとディーゼル油のあいだに/
途方もないパワーでも爆発しない燃料

第2章 陶酔……アルコールの風味と毒に魅せられる
エタノールと極性分子/メタノールの悲劇/
ワインの味わいとマランゴニ効果/風味が視覚に左右されるわけ

第3章 深遠……水の振動と波の凄いエネルギー
エウレカ!/水の高い熱容量/死の冷たい手/
サーフィンの科学/津波の力

第4章 粘着……モノをくっつけて文明は進化した
石器時代の接着剤/イカロスの墜落/20世紀の文化を変える/
飛行機も家具も美しい合板で/炭素繊維複合材料の時代へ

第5章 幻想……オスカー・ワイルドの夢をかなえた液晶
動く肖像画/液晶は偏光を変える/
デジタル腕時計からディスプレイへ/機内で観る映画はなぜ泣ける?

第6章 本能……健康に欠かせない体液が嫌がられるわけ
唾液腺のありがたさ/どろりとした液体/
セックスと嫌悪感/情緒性の涙に含まれるホルモン

第7章 一服……最高においしいコーヒー・紅茶を味わう
紅茶はどんな味であるべきか/味を決める4つの要因/
ミルクはいつカップに加える?/コーヒーの大問題/ジレンマを回避する

第8章 洗浄……液体石けんはアイデアの宝庫だ
奇跡の物質/臭くて汚かったヨーロッパ/新タイプの界面活性剤/
シャンプーの成分表示に注目!/液体石けんと絶滅危惧種

第9章 冷却……冷蔵庫から人工血液まで
アインシュタインも挑んだ冷蔵庫革命/安全な冷却を実現?/
液体冷媒と乱流/液体呼吸

第10章 不滅……ボールペンを生んだ液体工学の天才
古代エジプトのペン/インクの流れをいかに制御するか/
多重最適化問題と非ニュートン流動/社会への大きな影響

第11章 曇天……上唇の水分子から放電する稲妻へ
機内で落雷に遭うことは?/雲の種をまく/水は管理が難しい/
積乱雲はいかに電荷を蓄えるか/霧のサンフランシスコ

第12章 溶融……流動する液体の星の上に暮らして
固体なのに液体のような「クリープ」/北と南、どちらの氷が先に溶ける?/ 
あやうく命を落としかけた場所/地球の山々が盛り上がらなかった理由

第13章 持続……都市を自己修復するテクノロジ
道路の寿命を延ばすには?/アスファルトの3Dプリンティング/
ウォーターフットプリントを減らすために/持続可能なプラスチック液化

おわりに 人類の未来と液体の力